ウェルネスとは何か?(後編)
- バイオハッキング
前回ご紹介した「ウェルネスの8つの切り口」を踏まえて、ご自身のウェルネスプランを立てましょう。その際のヒントやコツをご案内します。
ウェルネスをプランする
偶然ウェルネスに行き着くということはありません。先述のとおり、健康的な食事をすればいいというものではないのです。人生を全方向から見なければなりません。包括的なウェルネスのためには、前回ご紹介した、8つの切り口全てを網羅したプランが必要です。ここで、ウェルネスのための具体的行動リストを作る前に知っておくべき、良いプランの作り方をご紹介します。また、長い目で見た時により健康でハッピーになれる質の良いウェルネスプランをする際のヒントもご案内しましょう。
1. 人生の棚卸しをする
人生のあらゆる点を8つの切り口に沿って書きだし、レビューしてみてください。あなたの長所は何でしょうか? 既に取り組んでいるアクションの中で、どれを継続したいですか?
次に、改善したい点を考えてみましょう。仕事をし過ぎていませんか? 大切にしたい人間関係をいくつも失いかけてはいませんか? 大局的に、満足していない点はどこで、その根本原因は何だと思いますか?
8つの切り口のそれぞれを10点満点で採点してください。これで、最も改善が必要な部分を俯瞰的な観点から特定できます。
2. SMARTゴールを設定する
ゴールとは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、そしてタイムリー(Timely)でなければなりません。実現可能なステップに切り分けておくと、達成しやすいでしょう。
スケールの大きなゴールから考え始めてください。そして、そこに到達するまでの段階を小規模・短期ゴールとして設定しましょう。ゴール達成に向けて行動する際に、焦りは禁物です。旅路は始まったばかりです。平坦な道のりだけではなく、紆余曲折もあるはずです。それが成長につながります。苦労があるからといって諦めたりしないでください。
3. 進捗を把握する
人生の棚卸しが終わってゴールを設定できたら、行動開始です。そこで必要となるのが、進捗を把握するためのプランと手順です。方法はひとつではありません。ひとつの有効なやり方は、配偶者やパートナー、もしくはお友だちに見届け人になってもらうことです。または、毎週パーソナルチェックインを行うのもいいでしょう。思考も精神も集中できる曜日と時間を決めて、現在の進捗状況をレビューします。予定より進んでいるのはどこで、遅れているのは何でしょうか? 毎日日記をつけて、自分自身の日々の進展を確認するのも良いアイディアでしょう。紙とペンで書き出しても結構ですし、PCを使用しても構いません。重要なのは必ず進捗を追うことです。予定通りに進んでいなかったとしても、失敗ということではありません。進捗状況がわかる、ということもまた進捗です。くじけず継続しましょう。
4. ウェルネスプランを定期的にアップデートする
ウェルネスとは進化を続けるものです。終着点はありません。それがウェルネスという旅路の素晴らしさです。自分たちが変わり成長するほど、更なる成長の機会が見つかるのです。古いゴールを捨て新しいものを目指すこともあるでしょう。ゴールの達成に予想外に時間が必要であることに気づくかもしれません。ただ、それでいいのです。それどころか上出来です。それこそが、人間の素晴らしさなのですから。
ご自分のウェルネスプランを定期的にアップデートすることをお勧めします。毎月でも年に二回でも結構です。数ある中から、どのゴールやアイディアをキープして、どれは修正や差し替えをするかをご自身で検討してみてください。一人ひとりの人生と同じく、ウェルネスプランも常に現在進行形です。
ウェルネスはお金では買えません。単なる概念でもなければジムの会員権でもありません。私たちの人生の至る所に織り込まれています。持続的な健康と幸福を手にするには、まず正しい方向を向くためのプランを立て、そしてやり遂げなければなりません。障害物や盲点があったり失敗したりすることも、間違いなくあるでしょう。でも、その過程には感嘆し驚きや幸福を感じる瞬間が、それ以上にあるはずです。さあ、腰を上げてご自分のプランを作りましょう。
太田優士