COLUMNコラム

ヒトの寿命を左右する酵素

  • バイオハッキング

Part 1 酵素とは?

酵素というのは、辞典によれば、「生物の体内におこる化学反応の触媒となる有機化合物」と書かれていますが、わかりやすくいえば、酵素は人間の健康全体にとって、重要なカギとなるものです。
つまり、人間の寿命を根本的に左右するものといっても過言ではない物質なのです。
体の中にもし酵素が不足してしまうと、体調不良となって、いろいろな病気の原因となります。
また、寿命も短くなったり、難病といわれる病気も酵素の極端な不足が大きな要因といわれています。
したがって、老化を防ぎ、病気を予防するカギは「体内酵素」 の活性化にあるのです。

Part 2 酵素は生命の源

六大栄養素として、炭水化物、 脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が私たちの健康保持に重要なことはよく知られています。
しかし、これらの栄養素を体内において充分に役立たせるのには 「酵素」の力が必要不可欠なことが最近わかってきました。
つまり、酵素こそが、生命のいろいろな営みにおける根源であることが医学者の間で明らかにされてきたのです。
生命のある全てのものには、酵 素があります。そして、酵素は生命活動の全てに関わっているため に「生命の源」ともいわれます。
私たちが毎日摂取している果物や野菜などにはいろいろな多くの 酵素が含まれています。 しかし、果物や野菜などの酵素が直接、腸から吸収され、体内で 働いているわけではありません。
体内で酵素が生合成されるためには、酵素を構成している特殊な組み合わせの、アミノ酸やペプチド、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどの植物微量成分が必要となります。
もし、微量成分が不足すると、 体内酵素が生成できにくくなり、 病気を招くことになるのです。

Part 3 消化酵素・代謝酵素・食物繊維

人間の健康に関わる酵素には、 大きく分けて、人間の体内酵素で ある「消化酵素」と「代謝酵素」、 そして食物に含まれている「食物酵素」です。
「消化酵素」というのは、食べたものを体が吸収しやすいように消化するための酵素のことです。
例えば、ご飯などに含まれているデンプンの分解にはアミラーゼ、 肉などのタンパク質の分解にはプ ロテアーゼ、脂肪の分解にはリパ ーゼといった具合です。
これらの消化酵素の働きによって、分解された栄養素は小腸で吸収されて、体の役に立つエネルギーとなるわけです。
「代謝酵素」というのは、消化酵素により、栄養素がエネルギーになってから、それを体の中で働かせる酵素です。
つまり、吸収、脳の働き、運動、 老廃物の排出、ウイルス等と戦う働き、肌の新陳代謝等々、人間の 生命活動の全ての面で代謝酵素が働いているわけです。
そして、この二つの酵素には深い関連があって、消化酵素が万全に働いて、代謝酵素も活発に働くのです。
つまり、消化がよければ代謝もよいというわけなのです。

Part 4 体内酵素が病気を予防

私たちの体の中では、3000種類と5000種類ともいわれる酵素がたえず作られており、これらの酵素の活性力を低下させないことが病気の予防につながります。
ひとつの酵素は、ごく狭い範囲のなかでしか仕事をしないので、 いろいろな生命活動を行なうには 3000種類もの酵素が必要となります。
では、体の中で酵素がどんな働きをしているかのべてみましょう。

 

(1)筋肉を動かす作用

(2)心臓を規則正しく動かす作用

(3)脳や神経を正常に働かす作用

(4)肝臓のいろいろな働きを支える作用

(5)腎臓で尿をつくり、体内の老廃物を排泄させる作用

(6)血液の中で酸素や二酸化炭素 を運ぶ作用

(7)血圧を調節する作用

(8)遺伝子情報を伝達し、新しい細胞をつくる作用

(9)免疫機能を働かせ、体を外敵から守る作用

これらの働きが体内酵素にあるために、健康で病気になることなく生活ができるのです。
最良にして最高の健康法、病気 の予防法は「消化力=酵素力を体 内で活性化させることにあります。

Part 5 酵素力の低下が老化を招く

老化とは、一般的にエイジング、 すなわち加齢、経年ともいいます。

老化現象は厳密にいいますと、 受胎ともに、胚の時代からすでに始まります。胸腺などはそれが 老化することにより体全体の成長をさせるくらいです。

普通の意味の老化現象とは、生物の一生のうちで成熟期が過ぎて何らかの衰退が始まり、死によっ て終わる一生の後半期以後の正常状態をいうのですが、近年では老化は正常状態でなく、病態生理学的なものであるとの意見も有力になってきました。

また、老化の原因には1000を数えるほど多くの説が出ていますが、近年、老化のメカニズム説に加えられた「酵素栄養学」によると「老化とは、一生で一定量の潜在酵素が減少することによって生じる体の消耗」という新しい説 があります。

酵素栄養学で考えると、酵素が減ってくると体もそれにともなっ てだんだん弱ってくるわけで、老化の進行ということです。

したがって、酵素の温存、酵素 の補充、酵素の使い方しだいで、 老化を防ぐことができるのです。

  • あなたの酵素力をチェックしてみよう
    口加熱食、加工食を摂ることが多い
    口動物性脂肪(肉、卵、洋菓子など)をよく摂る
    口食べ過ぎることが多い
    口お菓子類をよく摂る 口煙草を吸う
    口おならや便の臭いがきつい
    ロ野菜不足だと思う
    口お酒をよく飲む
    思い当たる項目が多いほど、酵素を浪費している可能性が大きい

Part 6 酵素力の低下がガンや慢性病を招く

ガンが脳血管疾患を抜いて、日本人の死因トップになったのは、 一九八一年でした。

国民医療費からみても、ガンは 全体の一割を超えており断トツの 首位です。

厚生労働省の研究によれば、生涯でガンにかかる割合は、男性の 二人に一人、女性の三人に一人と 予想されています。

また、ガンは細胞の老化と密接に関連しており、高齢社会が進むとガン患者も増加することが推測されます。 現在ガンの治療法としては、

①手術療法、②放射線療法、③化学 療法、④ホルモン療法、⑤免疫療 法、⑥温熱療法などがあります。

中川栄一医学博士は「酵素力が 低下すると、体の老化が早く進み、 寿命が短くなってしまうだけではありません。ガンや慢性病にもな りやすくなります。ガン細胞の発生にも酵素力は大いに関係しています」とのべています。

酵素を利用した医療では、患者に強力な酵素を与えることで、体内の免疫力をアップさせることに 全力を注ぐわけです。

酵素を服用することで、NK細胞やTNFの産生が目にみえて増加していきます。

Part 7 活性酸素は代謝酵素が退治する

活性酸素とは、私たちが呼吸によって取り入れている酸素のうち、 約二〜四%が特に活性の激しい酸素に変化したもので、フリーラジカルともよばれています。 「活性酸素がどれくらい私たちの体に有害であるかが明らかになり はじめたのは、一九五六年に、ア メリカのネブラスカ大学教授であ った、D・ハーマン博士が「生活習慣病や慢性疾患の九○%には、 活性酸素がその原因として関係している」という内容の新学説を発表してからです。 一九八〇年代になると、トッター博士やワイツマン博士らによっ て、活性酸素は直接ガンの発生要因となることが突き止められ、今日では多くの医学者によって、活性酸素が老化はもとより、生活習慣病や慢性疾患をはじめ、ガンの原因となることが確認され、部告されています。
この活性酸素に対して対抗するのが、抗酸化酵素です。抗酸化酵素にはいくつかの種類があり、その代表がSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)やカタラーゼ、グルタチオンなどです。

Part 8 酵素は免疫力を高める

二〇〇七年五月に千葉大学の研 究グループが「免疫療法」で実際の患者のガンを縮少させることに成功したことを発表しました。
それ以来、急速に医学の分野で免疫力を高めて、ガンや感染症、 糖尿病などの生活習慣病をやっつ けようという流れが世界的に広がっています。
私たちの体は、日常的に外部から侵入した病原菌や毒素などの攻撃を受けたり、体の内部でも正常な細胞が、ガン化するなどの異常が発生したりしています。

このようなことに対して、体を守るために私たちの体の中には、 免疫システムが備わっています。
しかし、人間の体が歳をとり、 免疫力が低下していくことによっ て、ガンをはじめとするいろいろ な生活習慣病にかかってしまうわけなのです。
酵素は、体を守る免疫システムにおいても必要不可欠な働きをしています。 免疫細胞の主力部隊ともいえる 白血球は、細胞内にある酵素を使って、ガン細胞や病原菌を攻撃すると同時に、死んだガン細胞や病原菌を溶かしてしまう酵素も分泌して、排除していきます。

Part 9 酵素は血液をサラサラにする

死亡原因の第一位はガンで、最も恐ろしい病気のひとつです。
ガンという名のいわれは「岩」、 つまり岩のように硬いというところからよばれています。
学名では、カルチノーマ。カニ のようなできものという意味で、 ガンの発見が乳ガンから始まったことを意味しています。
国際自然医学会会長で、お茶の水クリニック院長の森下敬一医学 博士は「ガンは血液の汚れから発生する、血液を汚す肉食をやめ、 血液の浄化をはかる食物を積極的にに摂ることだ」とのべています。

血液が汚れることは発ガンにつ ながりますから、血液を常にサラサラにして、浄化しておかなければなりません。
また、血液中に脂肪や老廃物が 増えると、血液はドロドロになっ て血管が詰まりやすくなると、動脈硬化も併発しやすくなります。
そこで、日頃から酵素を摂取していると、血管や血液の汚れが分解されてきれいになって、血液もサラサラと流れるようになります。
そして、心臓への負担も軽くな り、高血圧や脂質異常症、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの予防にもなります。

Part 10 補酵素として働く、ビタミンとミネラル

酵素は人間の体の中での消化活 動、新陳代謝、運動や思考などの生命活動を行うためには欠かせないものです。
しかし、その酵素が活動するときに必要不可欠なのが補酵素です。
つまり、ビタミンやミネラルと いわれる微量栄養素がそれです。
なかでも欠乏が心配されるのがミネラルです。
ミネラルは酵素を活性化して、 必要な機能をさせるために不可欠な補因子の役目をしています。

前章でのべたように、体を活性 酸素から守ってくれる、抗酸化酵素にはいくつかの種類があって、 銅、亜鉛、鉄、マンガン、セレンなどのミネラルを補因子としてい ます。
したがって、これらのミネラル が不足することによって、知らず 知らずのうちに体調が悪くなっ て、慢性的な疲労の原因などにもなります。
そして、ミネラルは人間だけではなく、他の動物も植物も体内で合成することは不可能なので、私たちは、植物や動物、魚などを摂ることによってミネラルを大切な栄養源として摂取しているのです。

Part11 酵素の効能

酵素における効能については、 聖路加国際病院内科医長の西崎統博士、鶴見クリニックの鶴見隆史 院長、中川医院の中川栄一院長など多くの医学者が報告をしています。

それを具体的に述べておきます。

1活性酸素の消去

2免疫力を高める

3老化の予防

4ガンの予防

5慢性病の予防

6血液をサラサラにする

7 アトピー性皮膚炎の予防

8動脈硬化の予防

9肝機能の向上

10肺や気管支を強化

11腎臓機能の正常化

12脳細胞の活性化

13骨粗鬆症の予防

14仙筋肉の柔軟化

15若々しい皮膚を保つ

16便秘の予防

17心筋梗塞の予防

18脳梗塞の予防

19高血圧の予防他